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ペット喜怒哀楽

ニューヨーク大聖堂

ニューヨーク大聖堂(上)
ニューヨーク大聖堂(下)

書名 : ニューヨーク大聖堂
著者 ; ネルソン・デミル
出版社: 講談社文庫 上下各\899 2005.5.15第1刷

感想 : ベトナム戦争をテーマにしたアップカントリーが面白かったから...これも、半分ぐらいまでは面白かったのだけれど、後半はアクション物で、映画でならそれなりに面白いのかも? 文で読んで行くと、位置関係がわかりにくいし。それに人質交渉人って、何のため? って感じもしてくるし。国家間、国の政府、週の政府、市の政府、政治か人命か、昇進か正義か...なんかなぁ、現実もこんななのかもしれないけれど...アメリカ的視点?
現実の世界だと人質を取って成功した犯罪って無い? イラクでの人質は確かに各国政府に対して影響力ある場合もあるけれど。それに概ね人質って半数ぐらい助かって、犯罪者の方は全員射殺ってのが多いし...北朝鮮の拉致の問題、この観点で見たら、どうなる?
舞台がニューヨーク聖パトリック大聖堂。3.17の緑の日やパレードは見たことあるから、それなりに面白かったし、バックグラウンドもよく分かって、サスペンスよりそちらが面白かった、かな。アイルランドとイギリスの問題をアメリカに絡ませた。これ1981年に書かれている。今、たしかIRAって和解したし...

気になった文章:

* こんなふうに自我を完膚無きまでに抑えつけられることこそ、人質をゾンビー状態におとしめ、あろうことかドラマの参加者になりたい気持ちを起こさせる原因だと知ってはいた。そして事後には決まって、困惑と罪悪感が入り交じった気分に襲われる。前にある心理学者が、<人はひとたび人質になったら、死ぬまでずっと人質でありつづける>という意味の発言をしたことが思い出された。思わずモーリーンはかぶりをふった。いやだ。自分の見にそんなことが起こるのは耐えられない。いやだ。ぜったいにいや!

* この連中はとんでもないエゴイストなんだよ。彼等にとって毎日の生活が意味をもってくるのは、ひとをあやつったり裏切ったり、あざむいたりしているときだけ、自分達とおなじ側だろうと対立している間だろうとおかまいなく、敵となる人物をー現実に敵であれ、敵だと思いこんだ人物であれー排除しているときだけだ。彼等が自己表現できるのは危機的な状況や、混乱状態のときだけで、自分からそんな状況をつくりだすことすらめずらしくない。それが平均的な情報部員だよ。

* 人間は...自分が怖いと思うものを攻撃するんだ...原始的な...自己防衛の本能で...

ははは、これ、納得。だから、ねとうよさん達は、攻撃的なのね。だから米国は他国に対して攻撃的なのね。ってことは北朝鮮って、案外恐がりでなはいのかも。ってことは、北朝鮮は米国よりましなんだ。
攻撃が最大の防御とかいう言葉って誰が言ったんだっけ? そうか、これ言った人も防御したいから攻撃するわけで、つまり恐がりなんだ。


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